今回のタイトル、御厨さと美さんの「ルサルカは還らない」
…この作品、実はこのシリーズを始める時に、真っ先に思い浮かんだ作品です。
掲載紙は既に無いMANGAオールマン、作者の御厨さと美さんは14年振りの執筆、
で、今から10年以上前の作品…
はっきり言ってかなりマイナーです。でも面白いです!
作者の御厨さと美(みくりやさとみ)さん、最近はまた書かれていないようですが、
70年代から80年代にかけて幾つもの名作を書かれております。
SFでは「ノーラ」という娘が主人公のシリーズや、航空機をテーマにした作品群、
ビッグコミック、初期のスピリッツに連載された人間ドラマ「裂けたパスポート」「イカロスの娘」等々
チョッとだけアメコミ的でリアルな画と、独特の台詞回し等、結構好き嫌いが分かれそうなタイプの作家さんでしたが、リアルで緻密な設定と構成、奥の深い人間描写など、間違い無く一流の漫画家さんでした。(引退されてはいないようなので、過去形は失礼ですが)
暫くのブランクの間は自ら会社を起こし(マンガとは全く関係の無い!)経営されていたという才人でもあります。
で、この「ルサルカ〜」はその間も構想を練られていたそうで、
最初は小説として書く事を考えておられたと言うほどなので、
ものすごーく中味の濃い設定・ストーリーになっております。
(一冊読むのに約1時間かかってしまいました)
連載開始が1996年、未だソ連崩壊後の混乱が残っているロシアを舞台に、
日本・アメリカのみならず中国、韓国、北朝鮮をも巻き込む全世界的な陰謀と、
それに立ち向かう主人公達を描いております。
政治色を濃くし、ストーリーを複雑にした、アクション満載でSFの要素も持った「007」シリーズ、
と言ったら分かりやすいかな?ボンドガール的なヒロインも出てくるし。(却って分りづらいか…)
でも下手なハリウッドの大作アクション映画よりはよっぽど中味が濃くて、ストーリーがしっかりしています。
ただし、これも好き嫌い分かれるでしょうね(ネームが多い多い…)
因みに「ルサルカ」とはスラブ神話の水の女神。(女神というよりは、若くして死んだ花嫁や水の事故で死んだ女性がなるという幽霊のようなもの)(Wikipediaより)だそうです。
あと“御厨さと美”さんは男性です(写真を見ると結構ゴッツイ感じの)。念の為。
結構置いていない店も多いと思うので、当店でじっくりと腰を据えてお楽しみ下さい。
久々、テーマピッタリの一本でした